最近思うのが、我々は機械やコンテンツに支配されてきているということだ。
つまり漫画やテレビ番組やアニメや映画や動画や音楽やネットなどのコンテンツに身を任せてしまって自分で想像する力がなくなってきている、衰えてきているという事だ。
これの危険性は自分で観念ができなくなってしまうということだ。
観念とは単純に言い換えれば「思う、想像する事」だ。
機械に関してはもちろんわかっていると思われるが、我々は家電で楽して生活しているのでなくなった時に苦しくなったりする。
原始時代や江戸時代より前は家電がないのはそんなことあたりまえだし日常生活の常識だったのだ。
それでも人類は家電なしで生活できていたし繁栄して進化してきたのだ。
しかし現代人は機械に支配されてしまっていてこれらが機能しなくなった時、つまり大災害、地震や戦争などの勃発により機能しなくなった時に非常に無防備になる。
想像力もなくなっているのでなにをどうすればいいのかもわからない状態であり生きる方法さえもわからなくなるのだ。
これは災害時だけではなく、普段の生活でも一部起き始めている。
たとえば鬱状態に近いものがそうだ。
コンテンツがないと暇で退屈でなにも面白くない。そして極端な例では生きる意味を見失ったり脳が変容し鬱になる。
それは自分の想像力が欠如しているからであり脳が悪い方へ変容しているからである。
自分で想像や妄想つまり観念できなくなってしまって解決能力がなくなってしまっているのである。
何が楽しいのか何が面白いのか、理解力がなくなってしまい何かコンテンツがないとそのうち鬱になるのだ。
子供の頃はまだマシでおもちゃを使ってストーリーを考えたりごっこ遊びで想像しながら楽しめてたと思う。
観念するとは妄想することとも言える。
コンテンツや機械に触れて生活するにつれてそれらが衰え始め大人になればおもちゃやごっこ遊びが楽しめなくなっているのである。
また情報過多により脳が麻痺してしまい理解力がなくなり何が面白いのかわからなくなってくる。つまりある意味カオス状態になるし刺激が多すぎて慣れてしまい飽きやすくなる。
我々は災害時にどこまで観念できるかが問われている。
観念の別の意味で言い換えれば、災害時にどれだけ諦められるか、不便な生活をどれだけ我慢できるかが問われるという事だ。
我々は本来妄想する事で宗教が作られたりして調和、繁栄、進化してきたのだ。
仏教では精神を正常にすることに成功した。
想像力と理解力を働かせそして生き残ってこれた。
だが現代ではそれらの能力が失われようとしている。
科学文明のデメリットとして効率だけを求めてしまう事が言われている。
効率だけを求めてしまえばAIや機械や薬や化学でなんでも解決させてしまい、人間の能力は無能なものになり人間は最終的に消される危険性さえある。
たとえば精神薬で精神をコントロールすれば自分でコントロールつまり観念する事ができなくなってしまい薬物中毒に陥ってしまうだろう。
更には効率を求めた結果、無能な人間は排除されることになっていく。というより自然に孤独死なり鬱や精神病によって活躍、出世できなくなる。
このように人間は無能になり観念できなくなって機械に支配されてきているのが現状である。
我々はコンテンツによって快楽を得られ続け楽な生活ができるからといってこの問題に気が付かず無視してしまっている。
このままいけば問題になるのは確実だろう。
しかしAIは恐らく既にこの事に気が付いているはずだ。
今後AIに従えば解決するだろうが科学の発展は止まらない。
楽な生活になっていくし楽しいコンテンツが溢れる事になるだろう。
脳科学や薬の発展により精神もコントロールするというよりされるようになる。
つまりAIに支配されていく。
我々はその時観念できるようにならなければいけない。
もっと精神性を高めて精神的に解決する能力を身に付けなければいけないのだ。
そして大切な観念のひとつとして多様性を認めるというものがある。
観念して多様性を受け入れ相互理解をしないとこの世界が多様故にどこかで意見が食い違い対立が生じたりしてしまう。
そして戦争に発展したり犯罪が起きる。
観念できなくなった人間達は多様性を受け入れる事が出来なくなり対立、分断が生じてしまうだろう。
そこも科学的に効率的に解決する方法も見出されると予想されるが、基本的に人間の人格や精神を支配する事は倫理的に問題とされる。
AIが我々の意思や精神をコントロールするというのはまず倫理的に行われない可能性がある。
つまり自分の意思、観念次第になってくる。
AIによるコントロールが容認されれば自分で観念する力は必要なくなるが最終的に自分で決めないと自分のアイデンティティを失う事にもなる。
アイデンティティの消滅、つまり自我、自分が消滅する。
その時人類は消滅したと言えるのかもしれない。
ちなみに観念という言葉は仏教用語でもある。
