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美音ヘッドホン AKG K712 PRO-Y3を買って聴いてみた【音質レビュー・リケーブル・ハイレゾオーディオ・高音質】


AKG K712 PRO-Y3を買って聴いてみた。

2013年発売のいまだに高音質と言われ続けているAKGの名機である。
今回前から気になってた愛用のベイヤーダイナミックT90の低音不足がやはり気になったので買い替える事にしたのでこちらを買ってみた。
通常アンバランス接続だがヘッドホン内部ではバランスにできるらしくバランス化も改造で可能である。
リケーブルも可能でミニXLR端子で接続する。
定価4万5千円だが今は3万円ぐらいだ。いまだに結構高い。それぐらい評価が高いヘッドホンだ。
現在愛用しているbeyerdynamic T90 Jubileeは当時6万円ぐらいだった。国内200台限定品なので高い。
スペックも現在の方が少し高いが問題は音質である。

まずはスペックから。
開放型ヘッドホン
インピーダンス 62 Ω
音圧感度 105dB
再生周波数帯域 10Hz~39.8kHz

現在使用しているbeyerdynamic T90は、250Ω 102dB 5Hz~40kHz。
こちらと比較していこうと思う。

音質検証

高音域
T90と比べるとあまりクリアではないが他の低価格帯のヘッドホンと比べれば断然クリアである。
刺さらないので聴きやすいとも言える。
むしろT90が誇張しすぎててK712のこれが本当の音質なのかもしれない。
スペック的には同じぐらいなので問題ないはずなので忠実な鳴り方をしているのかもしれない。
超高音域は確かに出ているし感じる。
T90と比べるとK712はクリアさはないがT90はザラザラしているノイジーな音質。
そしてT90はギラギラで電気的でエネルギッシュだが付随音が多くノイジー。
音の粒を聴きたい人はT90が良いのだが…K712の方が解像度が高いしクリーン。
T90は高音域で解像度を高く感じさせているがT90では実際の音は聴けないようだ。
解像度がかなり違う。

中音域
解像度が高くかなり細かい音まで聴こえる。
アイドルの甘い生々しい声が聴こえる。
滑らかで確実に解像度は高い。
若干カマボコ気味ではあるが気になるほどでもない。
むしろT90がクリアすぎて本来の音質はK712のこれなのかもしれない。

低音域
あまり量感はないがT90よりは出ている。
ただウォームな印象。
この辺りはエージングで変わってくるかもしれない。
これもソースによるのかもしれない。
量感がなくスッキリとした印象。
出るときはT90よりしっかり弾んだ音が出る。
やはりソースに忠実なのかもしれない。
出すぎない丁度良い感じ。

解像度
かなり高い。T90を超えている。
中音域のボーカルが特に細かく滑らか。
情報量が明らかに違う。
細かいニュアンスが伝わってくる。
このヘッドホンの神髄は解像度にある。

音場・立体感
ソースに忠実なのかT90と比べると広くはないが再限度が高い。
T90が開放的すぎるのだろう。
K712は狭さも広さも再現してくれる。
分離感はT90の方が上。
この分離感をどう見るか難しい所。
T90は目の前にいるかのような音質なのだがK712は注意して聴かないとどこにいるのかよくわからない感じ。
良くも悪くもソースをそのまま鳴らしているような感覚。

リケーブル後の音質検証


付属のカールケーブルの音質は前述の音質である。


付属のストレートケーブルの音質は
カールよりかなりクリアで高音域が出るようになった。
エネルギッシュな高音域が出ている。
ただ低音が少し音量が弱くなっている。
クリアなのだが低音があまり出てこない。
だが気にしなければ問題ないレベル。
カマボコ感はマシになっている。
解像度も高音域が出ている分こちらの方が上かもしれない。
カールとかなり違う。
どちらかというと低音を気にしなければストレートの方がクリアで解像度が高くカマボコも改善して音質が良い。
T90より解放感は劣るがK712の方が音質が良い。
音色はK712の方が良い。T90はフラットな音色だが高音域のクリアさで心地よくしている感じだ。
ただK712の方がカマボコっぽさは少しある。
ポテンシャルに関しては不明。またエージングで変化するだろう。


フルテックのADLケーブルの音質は
完璧なバランスで鳴らしてくれる。
重低音がかなり強く高音域もよく出ている。
ソースに忠実で解像度も高い。
クリーンで安定感があり立体感も定位もしっかりしている。
超高音域も出ていてハイエンド感がある。
カマボコ感も改善している。
ボーカルの吐息やその温もりがよく伝わってくる。
カマボコ感の正体は吐息とか温もりだったのかもしれない。
ものすごく自然な鳴り方。クセがない。
T90では温もりが感じられない。

イヤーパッドの裏にあるフィルターを取り外してみた。

かなりクリアになりかなり定位が良くなる。
こちらのほうが好みの音質だった。
やはりこれがあるとある感じがする。
解像度もない方が上がる。細かい音が聴こえるようになる。
ただしドライな音質になってしまう。

まとめ

ケーブルでかなり音質が違うのでリケーブル必須と言えそう。
装着の仕方によっても音質と定位が変わってくるのでそのあたりも注意。
解像度が高くかなりポテンシャルがありそうなのでEQをいじってみるのも楽しいと思う。
バランス化も改造でできるのでそれなりの価値はあるだろう。
1~2万円の安物のヘッドホンを買うよりは断然オススメだ。