まなちゃん
新商品の冷凍餃子を買ってきたよ。
ゆいちゃん
どんなの?
まなちゃん
油なし水なしフタなし火なし餃子なしで焼ける餃子だよ。
ゆいちゃん
なにそれ?
まなちゃん
全部いらないんだよ。世の中便利になったもんだね。
ゆいちゃん
餃子ないのはおかしくない?
まなちゃん
わかってないねゆいちゃん。油がなくて便利、水がなくて便利、フタがなくて便利、火がなくても便利、ということは餃子がなくても便利ということだよ。
ゆいちゃん
それ詐欺じゃないの。
まなちゃん
餃子がないんだから便利に決まってる。餃子を乗せる手間も省けるし食べる手間も省ける。
ゆいちゃん
(まなちゃんは完全に騙されてる…)
まなちゃん
餃子があることが問題なんだよ。食欲をそそり煩悩を湧かせてしまう。餃子はないほうが良いんだよ。
ゆいちゃん
食べないと死んじゃうよ。
まなちゃん
食べる必要がないんだよ。食欲は敵だ。全ての欲を滅するべきだ。釈迦の教えだ。つまりそういう時代になってきているというわけだわよ。
ゆいちゃん
…。
まなちゃん
早速開けてみよう。
まなちゃん
流石だね。餃子が一個もない。
まなちゃん
これで餃子を焼く必要もないし食べる必要もない。煩悩は消えた!無の境地だ!
※この物語はフィクションです。